FC2ブログ
≪ 2021 05   - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 - - -  2021 07 ≫
*admin*entry*file*plugin

燃料電池自動車に未来はあるのか 

燃料電池車普及、水素ガス拠点100か所整備へ
2011年1月13日20時04分 読売新聞

 トヨタ自動車など大手自動車3社と出光興産などエネルギー大手10社は13日、燃料電池車の導入を促すため、2015年に燃料となる水素ガスの供給拠点を都市部に約100か所整備する構想を発表した。

 燃料電池車は二酸化炭素(CO2)を排出せず、1回の充填(じゅうてん)でガソリン車並みに長距離を走行できるが、製造コストや水素の供給拠点の確保が普及の課題で、今後は官民一体となって普及を目指す。

 トヨタ、日産自動車とホンダは燃料電池車の量産車を15年に投入する。JX日鉱日石エネルギー、東京ガスなど石油元売りとガス各社は4大都市圏(首都圏、中京、関西、福岡)で水素供給拠点を整備する。

 また、政府も規制緩和を進め、水素の供給拠点の設置コストを抑える。燃料電池の業界団体は25年までに燃料電池車の普及台数を200万台に設定し、燃料の供給拠点も全国1000か所に拡大する目標を掲げた。燃料電池車の普及には、水素の供給拠点の整備にかかるコスト(約6億円)を下げることがカギを握るとみられている。

---------------------------------------

 ちょっと前までは、未来の夢の技術と思われていた燃料電池自動車。家庭用ではエネファームとして少しずつ実績を残していますが、クルマの方は最近停滞気味。一時期は盛り上がっていたモーターショウでの出品も激減しました。

 私もちょっと勉強してみると、厳しいなと思う点が出てきて、普及には疑問を持っております。一昨年のモーターショウで展示された水素スタンドの見学でも、そのようなエントリをアップしました(こちら

 いくつかの問題点を整理してみましょう。

①燃料電池スタックに使うレアメタル
 一気に強力な電力を必要とする燃料電池自動車ですから、燃料電池スタックも高性能のものが必要です。これには結構な量のプラチナが使われていて、これがコストを押し上げています(ホンダのFCXクラリティは2億円)。いや、コスト云々の前に、本当に燃料電池自動車が量産されてしまうと、地球上のプラチナはすべて注ぎ込まなくてはいけない。
 現状ではこのプラチナに代わるいい素材がない。ここに技術的なブレークスルーがないと、量産は夢のまた夢です。燃料電池自動車の開発が停滞気味なのは、低コスト化技術の停滞なのです。
 尖閣諸島の問題で支那産出のレアメタル輸出が滞ったりして、レアメタルの代替素材の開発・研究が急に脚光を浴びましたが、なんとかなるのでしょうか。

②水素生産
>燃料電池車は二酸化炭素(CO2)を排出せず
 とありますが、正確には「走行時にCOを排出しない、というのが正しい。水素は天然素材ではないので、何か別の資源から取り出さなければなりません。最も現実的なのが天然ガスの主成分であるメタン(CH)から取り出す方法です。高温の水蒸気をメタンガスに混ぜあわせるらしいですね。
 CH+2HO → 4H+CO
 化学式でわかるとおり、この水素生成段階でもCOが出てくるんです。まぁ、単に燃やすよりは少ないのかもしれませんが、炭素化合物であるかぎり、COからは逃げられないんです。
 また、メタンの供給元として海底のメタンハイドレートが期待されていますが、これを工業資源化する技術は確立されていないし、地球温暖化・寒冷化はこのメタンハイドレートが大きく影響していることが分かってきていますから、下手にいじるのは本末転倒になりかねない。
 現状の天然ガスに頼るとなると、結局は化石燃料か、ということで、天然ガスに膨大なコストを投入して水素を生産するメリットがあるのか、となると…。

③水素スタンド
 記事中では6億というコストに触れられていますが、これは水素タンクが問題。分子の小さい水素を貯蔵するためには特殊なコーティングが必要なのです。さらに、常温で保存できるガソリンと違い、液化または高圧で保存する必要があるため、ランニングコストが高いことも予想されます。燃料電池自動車のタンクは300~450気圧ほどに圧縮していますが、注入する機械にはその分パワーが必要で、それなりの電力が求められます。その電気の発電は…。
 それから、モーターショウのエントリでも書きましたが、ガソリンスタンド経営に必要な危険物取扱者の資格では水素スタンドは経営できません。別の資格が必要だったりします。単にコストだけの問題ではないのです。

 これらの問題点をクリアしなければ、量産なんてどだい無理な話。あと4年でできるのか? 100箇所も作って(単純計算で600億)、そのほとんどが開店休業状態なのは、どうなんだろうね。

スポンサーサイト





この記事へのコメント

この記事へコメントする














chinafree
(△お好みの文字サイズになるまでクリックしてください)

japantourist

Author:japantourist
3児の父、リターンライダー。歴史マニアにして、レガシィB4を乗り回し、天文書を片手に星空を眺める。
横浜FCを追いかけ、サッカーボールを蹴っ飛ばす。
ホントは何が好きなんでしょうか・・・