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「黒田官兵衛」読了 

黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
(2013/09/18)
渡邊 大門

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 大河ドラマは視聴率が振るわないと言いつつ18%前後。「軍師」黒田官兵衛が浸透しそうです。
 本書も帯などを見るとそのブームに乗っかろうとした感じですが、それは編集者の責任。

 内容で言うと、黒田官兵衛の実像を、一次史料を中心に解き明かしています。
 この「一次史料」というのがポイント。秀吉が恐れたという官兵衛の逸話は、殆どが一次史料になく、「黒田家譜」などの二次史料にあるもので、信頼できません。

 大河ドラマはそういう信頼出来ない逸話をかき集めて、さらに司馬遼太郎の「播磨灘物語」など、これまで多くの作家によって作り上げられた「軍師」官兵衛のイメージに乗っかりつつ、蓄妾しなかったことから夫婦愛などのスイーツっぽさも入れたものなんでしょうな。
 ま、見る気もないのでほぼイメージですが。

 本書では「黒田家譜」などの史料について、丁寧に史料批判をおこないつつ、それを踏まえて官兵衛の実際を描いています。
 つまり、至ってまっとうな歴史書です。「軍師」官兵衛のサクセスストーリーを期待するとがっかりでしょうね。

 あわせて、そのような官兵衛の伝説を作ったのは、福岡藩祖として黒田家を永続させたい長子の長政ではないかと提案されています。現在の権威付けに先祖(先代ですが)を称揚するというのは、よくあることですが、官兵衛もそれによって英雄視されたのでは、ということです。
 けだし卓見であると思います。

 そもそも、「軍師」という言葉も概念も戦国時代には存在しません。まぁ、「戦国大名」という言葉も無いのですが、これは当時の領域領主で戦争で自領を拡大または維持を図る存在をそう呼ぶようになっただけで、現在「戦国大名」と呼ぶような存在が実在していたわけです。
 しかし「軍師」は、実態がない。そこへ美化された「軍師」という言葉が乗っかるようになりました。こちらは、言葉が先行で、いわゆる張良や孔明のような「軍師」のイメージを持ち込み、それに官兵衛や竹中半兵衛なんかを当てはめたというのが実際のところです。
 なので、「軍師」をタイトルにしている段階で大河ドラマはアカンのです。

 そういうのに便乗せず、きちんと評価していて好感が持てます。一回の土豪から大大名になった官兵衛が、交渉に優れた人物として評価されるのが納得でした。
 ぜひ読んでみてください。
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japantourist

Author:japantourist
3児の父、リターンライダー。歴史マニアにして、レガシィB4を乗り回し、天文書を片手に星空を眺める。
横浜FCを追いかけ、サッカーボールを蹴っ飛ばす。
ホントは何が好きなんでしょうか・・・

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