三菱の燃費偽装
admin≫
2016/05/04 07:12:04
2016/05/04 07:12:04
世界を驚かせたVWの燃費偽装に次いで、国内でも三菱の不正が明るみに出て大騒ぎとなりました。
三菱のメーカーとしての良心のなさには反吐が出ますが、その背景を考えると、日本の自動車税制や日本人の車への理解のなさという問題があって、暗澹とした気持ちになります。
そもそも、なぜ偽装するのか。
正直、カタログに掲載されている燃費通りに走れるわけもなく、季節や走行条件によって大きく変わるので、カタログ上の細かい数字は日常の仕様には全く関係ありません。それでもメーカーは必死になって燃費向上に勤しむ。それはなぜかといえば、減税に繋がることと、その数字を看板にして営業活動をするからです。
とすれば、問題の根本はその2点にあるということになります。
燃費による減税に意味はあるのか
平成27年度、平成32年度燃費基準というのがあって、そいつをどの程度クリアしているかによって、自動車税および重量税が減税されます。もっとも、車重によって基準が異なるので、重い車だとその分基準が緩くなる。
ただ、レクサスLSなどの2t級の重い車だと、11.9キロ/㍑とかっていうのが基準になります。LSのJC08モード燃費は11.6。確かにそのクラスでリッター10超えれば優秀ですが、実際にはカタログ燃費の80%程度しか走らないので9キロ程度。
そもそも1000万円クラスの巨大な高級車がリッター9キロで走るのに減税の必要があるのか?
本当に社会全体のガソリン使用量を減らしたいなら、単純に車重も排気量も車種も関係なく、単純に燃費の数字で税額を定めればいいのです。10~11キロならいくら、とか。でもそうすると大型車は売れなくなる。そっちの事情を優先してるんだから、このエコカー減税というのはめちゃくちゃ。
LSが減税で、うちのレガシィは減税対象外。おかしくないか?
カタログ燃費の「偽装」
ちょっとプリウスのカタログを見てみましょう。ネットで簡単に見られます。
プリウスはCMなどで40キロ/㍑オーバーの燃費を謳っています。ところが、数あるグレードのうち、それを達成しているのは「E」というグレードのみ(40.8)。ほかは37.2という数字で、3キロもの差があります。
そのEグレードを見ると、リアワイパーが無かったり、4スピーカーだったり、かなりの装備が簡略化されています。なにより、ガソリンタンクが他の43リットルに比べ、38リットルと少なくなっています。ついでに言えば、ウィンドウォッシャータンクも4.8リットルに対してわずか2リットル。
こういった簡素化で、車重を他のグレードより50キロ抑えています。
しかし、こんな簡素な装備の車を誰が買いますかね? 250万からするのに、リアワイパーすらないとは…。
つまりこのグレードは燃費スペシャル。カタログスペックがよく出るように調整されたグレードで、実際の販売台数は期待されていないのです。ラインナップに入れていれば「リッター40キロ!」を看板にでき、実際に購入する人には、「こういった装備をつけると燃費は37キロになります」というわけ(説明するかも怪しいが)。40キロに釣られた客は、もっと高くて燃費の落ちるグレードに落ち着くわけです。
嘘はついていないけど、こういうのも立派な「偽装」だと思いますが、いかが?
ユーザーの「目」と技術
ここまで、燃費による減税という愚策と、そこにつけこんだメーカーの実態を見ましたが、今度はユーザー側の問題。
実際のところ、日本のユーザーはそれほど燃費を気にしているのでしょうか? 結論から言えば、優遇税制には関心はあっても、本当に燃料消費を減らそうとしているとは思えないのです。
プリウスのような「偽装」についてはほとんど無知に近い。カタログ燃費は見ても、実際の燃費が大きく違うことを知らない。そもそも燃費なんて季節や走行条件によって相当違います。カタログデータはあくまで想定される条件を仮想して計測するものです。しかもかなりいい条件ですから、実際には運転技術、エアコン使用、積載量などでかなり低下することになります。プリウスなんかでリッター40キロなんて謳っても、ほぼ実現不可能です。
三菱のケースに関しても、ユーザーが気づいたわけではなく、OEMの提供を受けたニッサンによって発覚したわけですからね。そうでなければ、長い間誰も気づかない(笑)
だから、我々ユーザーはもう少し、そのあたりのカタログの読み方とか、数字の見方とか、わかっとかないといけない。
そして、本当に燃費を良くしたいなら、運転技術を向上させるしかありません。エンジンブレーキを利用したり、無駄なアイドリングをやめたり、スピードマネジメントをしっかりするなど、ちょっとしたことの積み重ねでかなり向上します。
逆に言えば、エンジンブレーキの使い方も知らなかったり、ハイブリッド車でもコンビニずっとアイドリングして待っていたり、そんなんでは燃費どうこうっていう資格ないわけで。
そのあたり、なんとかならないかな、って思います。
三菱のメーカーとしての良心のなさには反吐が出ますが、その背景を考えると、日本の自動車税制や日本人の車への理解のなさという問題があって、暗澹とした気持ちになります。
そもそも、なぜ偽装するのか。
正直、カタログに掲載されている燃費通りに走れるわけもなく、季節や走行条件によって大きく変わるので、カタログ上の細かい数字は日常の仕様には全く関係ありません。それでもメーカーは必死になって燃費向上に勤しむ。それはなぜかといえば、減税に繋がることと、その数字を看板にして営業活動をするからです。
とすれば、問題の根本はその2点にあるということになります。
燃費による減税に意味はあるのか
平成27年度、平成32年度燃費基準というのがあって、そいつをどの程度クリアしているかによって、自動車税および重量税が減税されます。もっとも、車重によって基準が異なるので、重い車だとその分基準が緩くなる。
ただ、レクサスLSなどの2t級の重い車だと、11.9キロ/㍑とかっていうのが基準になります。LSのJC08モード燃費は11.6。確かにそのクラスでリッター10超えれば優秀ですが、実際にはカタログ燃費の80%程度しか走らないので9キロ程度。
そもそも1000万円クラスの巨大な高級車がリッター9キロで走るのに減税の必要があるのか?
本当に社会全体のガソリン使用量を減らしたいなら、単純に車重も排気量も車種も関係なく、単純に燃費の数字で税額を定めればいいのです。10~11キロならいくら、とか。でもそうすると大型車は売れなくなる。そっちの事情を優先してるんだから、このエコカー減税というのはめちゃくちゃ。
LSが減税で、うちのレガシィは減税対象外。おかしくないか?
カタログ燃費の「偽装」
ちょっとプリウスのカタログを見てみましょう。ネットで簡単に見られます。
プリウスはCMなどで40キロ/㍑オーバーの燃費を謳っています。ところが、数あるグレードのうち、それを達成しているのは「E」というグレードのみ(40.8)。ほかは37.2という数字で、3キロもの差があります。
そのEグレードを見ると、リアワイパーが無かったり、4スピーカーだったり、かなりの装備が簡略化されています。なにより、ガソリンタンクが他の43リットルに比べ、38リットルと少なくなっています。ついでに言えば、ウィンドウォッシャータンクも4.8リットルに対してわずか2リットル。
こういった簡素化で、車重を他のグレードより50キロ抑えています。
しかし、こんな簡素な装備の車を誰が買いますかね? 250万からするのに、リアワイパーすらないとは…。
つまりこのグレードは燃費スペシャル。カタログスペックがよく出るように調整されたグレードで、実際の販売台数は期待されていないのです。ラインナップに入れていれば「リッター40キロ!」を看板にでき、実際に購入する人には、「こういった装備をつけると燃費は37キロになります」というわけ(説明するかも怪しいが)。40キロに釣られた客は、もっと高くて燃費の落ちるグレードに落ち着くわけです。
嘘はついていないけど、こういうのも立派な「偽装」だと思いますが、いかが?
ユーザーの「目」と技術
ここまで、燃費による減税という愚策と、そこにつけこんだメーカーの実態を見ましたが、今度はユーザー側の問題。
実際のところ、日本のユーザーはそれほど燃費を気にしているのでしょうか? 結論から言えば、優遇税制には関心はあっても、本当に燃料消費を減らそうとしているとは思えないのです。
プリウスのような「偽装」についてはほとんど無知に近い。カタログ燃費は見ても、実際の燃費が大きく違うことを知らない。そもそも燃費なんて季節や走行条件によって相当違います。カタログデータはあくまで想定される条件を仮想して計測するものです。しかもかなりいい条件ですから、実際には運転技術、エアコン使用、積載量などでかなり低下することになります。プリウスなんかでリッター40キロなんて謳っても、ほぼ実現不可能です。
三菱のケースに関しても、ユーザーが気づいたわけではなく、OEMの提供を受けたニッサンによって発覚したわけですからね。そうでなければ、長い間誰も気づかない(笑)
だから、我々ユーザーはもう少し、そのあたりのカタログの読み方とか、数字の見方とか、わかっとかないといけない。
そして、本当に燃費を良くしたいなら、運転技術を向上させるしかありません。エンジンブレーキを利用したり、無駄なアイドリングをやめたり、スピードマネジメントをしっかりするなど、ちょっとしたことの積み重ねでかなり向上します。
逆に言えば、エンジンブレーキの使い方も知らなかったり、ハイブリッド車でもコンビニずっとアイドリングして待っていたり、そんなんでは燃費どうこうっていう資格ないわけで。
そのあたり、なんとかならないかな、って思います。
スポンサーサイト